世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事

2018年04月23日

UCLAの津川先生が書かれた著書。発売前から楽しみにして、週末一気に読破しました。

がん患者の領域でも栄養については、さまざまな語りや発表があり、でもどれも明確な根拠がなく、正直怪しい書籍も多くあります。栄養やダイエットに関する書籍は正直「怪しさ」がつきまといます。また、発表する内容には、食品業界における利益相反が関係するため、ハッキリしたことが言いにくいということがあげられます。

本書はそのような「怪しさ」が一切なく、我々医療者にとっても完全に納得のいく内容となっています。この書籍の内容が正解である、といっても過言ではないように思えます。食品業界への遠慮が一切ない語り口調にも、国内ではなくUCLAに勤務される著者としての誇りを感じます。

その根拠はエビデンスレベルをもとに解説され、メタアナリシスか質の高いRCTのみを対象とされています。大規模な集団における結果でしか明らかと言うべきでない栄養という観点において、結果をあくまで死亡リスクやがんの発症率という部分にフォーカスを絞り、明確にされました。また、ダイエットなどの副次効果についてもしっかりとフォローされています。

結果として、野菜や果物(ジュース以外)、魚や鶏肉、ナッツ、オリーブオイル、茶色い炭水化物を摂取することで寿命は延びる。逆に赤い肉や白い炭水化物は寿命を縮める可能性がある。ハッキリと示されました。

がん患者がこの栄養方法を完全に真似することは、よくよく考える必要があります。がんになった方の健康を改善するというわけではありません。がんにならないようにするため、糖尿病などで死亡リスクを下げるための栄養法です。そこに注意は必要であることは明記したいと思います。

ただし、一般の方に対する栄養の議論は、この著書が終着点と思える。そのような書籍に出会いました。おすすめします。

https://amzn.to/2Jk4UmG

%d bloggers like this: